Google☆琴すてーしょん☆ hotmail:jp.power@hotmail.co.jpYAHOO


風の中を
「風の中を2」 「風の中を3」 「風の中を4」 「風の中を5」


今私は朝日を背にして北に向かっている
7月の朝5時30分、とても気持ちがいい
私はヤマハの400ccのバイクにまたがり約束の場所に向かっている

数日前電話が鳴った「もしもし久しぶり、また7月がくるね」相手はいきなりそういった
私は「うん、また7月が来る、またいつもの場所で待ってるよ」
相手は「うん、わかった・・・・俺のが早いかもしれないが・・・また会おう」
そういって相手が電話を切った

今私は国道4号線を北に向かって走っている
国道4号線は日光街道ともいい、その名の通り日光につながっている

まだ朝早いので空気がひんやりしている、だが今日もいい天気になりそうな空模様だ
日が昇るにつれて暑くなってくるだろう

私は栃木県に入ったところでバイクを止めた
近くには自動販売機がある
バイクをのっているとなぜか、休憩の時は自動販売機かジュースが売っている店の近くでバイクを止める

バイクを降りてヘルメットを取ると長い髪の毛が垂れ下がった
その髪の毛を首を振りながら朝の空気にサラした

私は100円を自動販売機にいれて、冷たいコーヒーのボタンを押した
自動販売機には「当たり、はずれ」の装置がついていて、勢い良く音を鳴らしながらまわり始めた
「ピーンポーン」一人の時に限って当たるもんです、私は当たったお陰でコーヒーを二本飲んで
お腹がコーヒー腹になった、「あぁ、お腹がきつい」別に今飲まなくても良かった・・でも冷たいうちにと
つい飲んでしまった

まだまだ道路は空いている、今のうちに少しでも稼いでおこう
そう思い私は長い髪の毛をまとめてヘルメットをかぶった
バイクにまたがりエンジンをかけて感じた、私は一人じゃない
今私を乗せて鼓動をしている貴方がいる
私はこの鼓動に何度も勇気づけられた、不安になったときも
もう引き返そうと思ったときも、貴方は私を勇気づけてくれた

「アイツはいつも言っていた
ふるさともないと笑い
焼けたオイルとタイヤの跡が
生きてきた証さ」と


皆で走っていた頃が懐かしく思う、いつも誰かが私の前を走っていた
私はいつも置いて行かれない様に前を走っている人の背中をおいかけていた
それももう昔の話し・・今は一人で走る方が好き
2度とあんな思いはいや

福島辺りまで来るとだいぶ車が増えてきた、時間も8時を回ったところ、
出かける人達が車に乗りこみ涌き出てきたのだろう

去年の7月アイツと別れる時「また会おう、約束したぞ」
私も答える「またね、絶対来年また会いましょう、約束よ」
そして二人は北と南にわかれた

アイツは今どこを走っているのだろう・・・・

つづく


琴の能書きTOP  「風の中を2」


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送