「風の中を」
(2)


バイクの旅は気ままな方がいい

好きなところまで走り

好きな所で止まる

目的地を決めずに走ってしまおう

バイクで旅をする旅人は、風の中の香りをかぎわける

風の中を、風と共に行動する

旅人は時たま寂しさにおそわれる

戻ろうとする気持ちと、進もうとする気持ちが入り混じる

そんな時、バイクが旅人を勇気付けてくれる

旅人の鼓動と共鳴して力強く励ましてくれる

進もう、これからの新たな出会いを期待して・・・・





私が福島の国見まできた時はもう11時になっていた「この先が難所・・峠越えね」そう呟きバイクにまたがった
目の前には山が聳え立っていた

ここの峠は結構急な傾斜がつつく難所、ここの峠を超えるとなぜか廃墟みたいな荒野みたいな場所に出る
でも私はそのへき地が好き、荒れ果てて山を切り出していて本当に荒れてます
でもその中を小さな川が流れていてとても素敵です私はその川の横で休むのが好き
その時はわからなかった、ここの運命を・・・

私は山の峠に向かい一気に登りきった・・そして下る途中に湖に出くわした
その湖の横を迂回しながら峠道を下だる、途中にある「峠の茶屋」で休むのが恒例だった

私が好きだったへき地は、荒野は、今はダムの底です
あの時はわかりませんでしたが、そのために山を切り出して形成していたんです
私の好きだった場所、今はダムの底・・ここにもいろんなドラマがあったんでしょうね
村を追い出された村人とか・・・国が決めたことに反対できずに・・・

峠の茶屋には「アブに刺されたらこれを塗るといい」というクスリ?が置いてある
300mlで1000円
「おばさん、これに何が入ってるの?」私が聞くとおばさんは
「この中はね、アルコールと薬草が入っているのよ」そう言った
確かに透明な入れ物に草が入っている、それをアルコールづけにしたんだなぁ
(・・・・・・・・・効くのかしら??)私はそんなことを考えて
「おばさん、これ一つください」買ってしまった

だいぶ前になるけどハードなツーリングを三人でしたことがあった
100キロ走ったら休むというものだ、さすがにばてました
でも私より先に根を上げた人がいたので、私は気が楽になりました
その時はまずは日本三景の一つの松島にとりあえず行きました
夜中に出て朝方つきました
夜明けの松島もとても素敵でした、私達はバイクを止めて近くのベンチで休むことにしました
そして誰ともなく自然にそのまま寝てしまった
目が覚めると、回りには観光客がいっぱい私達を見ていた・・・・・・・

峠を超えたら今度は赤湯に向かう、温泉で有名な赤湯温泉だ
この辺りは北に行く時よく通りすぎる場所
よく通りすぎるのに赤湯の辺りでは止まったことがない

赤湯に向かう途中に平地を結構走る回りには小さい山々があり
その間を抜けて走るのが気持ちいいし眺めもいい

太陽の音が聞こえてきそうな(ギラギラと)のどかな中を
バイクの鼓動が、サウンドが自分自身を何かの主人公にしてくれる

そう言えばあの峠で(福島見国)突然爆音が轟いた事があった
私はビックリしてバイクを止めた・・・・・・・・・その音も止まった
バイクを見ると・・・マフラーが(サイレンサーの部分)なかった
後方を見ると私のマフラーが転がっていた
私はマフラーを拾いつけてみた・・・・ネジがない
私は辺りを探したが見つからなかった
そこで私は「木」に目をつけて、思った(木に名札がついている、それを止めているのは)
私は木から名札を止めているハリガネを外し
マフラーのネジの穴にとうして、マフラーを止めた

私は赤湯の近くまで来た時に駄菓子やさんを見つけてそこでアイスをかって休憩を取った
体には日焼けのあとガくっきりと残っている
また今年もこの夏を体に刻みこんでいる、全てを感じて私は生きている
そしてまた太陽の中を、風の中を走り始める

つづく。



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